2017.5.13(土)
先のウエサク満月(5月の満月)のおり、
窓からガラスをとおして見える月が煌々としてなんとも魅惑的で、
遠隔操作されたかのようにベランダに出てしまった。
向かいの建物の屋根に映った黄金の光と瓦の影とがつくる明暗に驚嘆して
空を見上げたのが運のつき、
月とその周囲の空間に全身が捕えられてしまった。
どのくらい月とその周囲の空間に魅入られていたのか、
たぶん何十分とかそんな長い時間ではないのだろうけど、
無機的、鉱物的といっていいような完全な静けさのなか、
そこには、月とその周囲の空間しかなかった。
天空の魔術が浸透してくるのを感じた私は、それに抗って、半ば実験心もあって、
翌日の予定のことや、日用品の買い物リストや、
居宅の消防設備点検日っていつだったっけ、てなことや、
あの日あのときこうしていれば的なこと、
線形時空間上に去来するあれやこれやの雑多な思念を起動しようとしたんだけど、
どれもこれも、月とその周囲の空間がめぐらせたシールドを突破できず消えてしまう。
仮面ライダーにあっけなくやられてしまうショッカーみたいに。
というか線形時空間がフリーズしている。
雑念を流して流して意識の芯である瞑想を顕わにしていくプロセスとは逆で、
押しても引いても瞑想は動かず、雑念の入る隙がない。
もし月とその周囲の空間がトゥーランドット姫(←誰)とそのオーラなら、
「どうする、三つのクイズに正解できんかったら、椅子がくるくる回るくらいではすまんぞ」
「・・・私にはもうあなたしか見えない。そのクイズに得点ポイントのすべてを賭ける」
といったところだろうか。
サレンダー(降伏、明け渡し)。
金縛りには遭ってないが、金縛られたように意識が止まる、釘づけになるなんてことが、
本当にあるのだな、と。
こちらの意識に何かが向こうから飛び込んでくるということが、
これほど明瞭に起きたのはじめてかもしれない。
それ以来、いまだ昼夜をとわずシータ波びんびんである。
眠くもだるくもないが、眠気と紙一重、うっすら水中にいるようだ。魚類だ。
魚類なのに、文字は読めるし入力できるし、
エクセル使えば計算だってできるし、
シンクの下の棚戸のグラグラも、ドライバーでちゃちゃっと修理できちゃうんである。
地に足ついた魚類。キモいな。
というわけで、も少し込み入ったことが書きたかったのだが、
それはまた陸に上がってから、別の機会にということにします。
みなさま、ごきげんよう。
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- 2017/05/13(土) 21:36:10|
- 三毛猫亭日乗
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